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インベスト イン 国債?

いつの間にか国債金利が上がっていた!

東京海上アセットマネジメント参与チーフストラテジストの平山賢一氏による日経ヴェリタス2022年7月3日号の記事『求められる「貯蓄から国債投資も」』で知る。「個人向け国債(変動10年)の適用金利は0.1%を超えてきており、魅力が回復してきています。」日銀の指し値オペによる金融抑圧に目を奪われていたが、変動10年は上がっていたのだ。7月は今日入札で明日に金利が発表される。アンテナとして1万円だけ買ってみようか?

 

求められる「貯蓄から国債投資も」(平山賢一): 日本経済新聞

最近の10年間で日銀は国債の10%程度を保有する投資家という位置から、断トツの50%近くを保有する大投資家へと変わっています。償還を迎える国債への再投資をしないことで漸減させていくにしても、その代わりに国債保有する投資家を探さねばなりません。政府債務を急速に減らすシナリオは描けないため、国債消化の問題がクローズアップされてくることでしょう。

日本社会における高齢人口の増加を背景に、流入する年金掛け金や生命保険料に対し、年金・保険金の流出額の方が増えており、機関投資家としての年金基金・保険会社の国債等の保有比率を低下させています。また、銀行など預金取扱金融機関も、2000年代に実施した預貸率の低下を背景とする国債投資拡大を再現させることは期待できないでしょう。

日銀の代役として手っ取り早く巨額資金を国債に振り向けていくのは難しいのです。むしろ17世紀から18世紀半ばにかけてのオランダで、多くの個人投資家が年金国債を購入し政府の資金調達を支えた事例のように、家計の資金が「貯蓄から国債投資へ」向かう経路を太くしていく地道な努力をすべきかもしれません。これは株式等のリスク性資産だけではなく、低リスク資産への分散投資ビークル(手段)開発という点で、「資産所得倍増」プランとも整合的です。

家計の保有わずか2.7%
現在、家計が保有している国債は約13兆円で、証券投資信託を介した間接保有分約16兆円を合わせると29兆円になります。国債・財投債に占める保有比率でみると、わずか2.7%。個人投資家による国債保有投資信託を通した国債投資は、現在のようなゼロ金利政策以降のマイナス金利政策の常態化により、金融商品としての魅力は非常に低かったと言えるでしょう。

しかし、金融政策の正常化を視野に入れれば、この魅力度は一定程度の回復が期待できるはずです。また、歴史を振り返ってみても、1984年の家計および証券投資信託による国債保有比率は13.8%まで上昇したことがあり、多様化の一つとして家計の資金を国債投資に促す道はありそうです。これは1980年に「中期国債の円滑な消化に資する」ために設定された中期国債ファンド等の残高が積み上がっていったことが背景として考えられます。

このような事例を踏まえ、国債管理政策における調達管理の課題解決を考えるならば、国債消化の多様化に個人金融資産を活用する議論を始めるべきかもしれません。たとえば、個人向け国債の商品性の向上や、主に国債を組み入れた投資信託商品の開発などが考えられます。

個人向け国債については、変動10年(10年固定利付国債の実勢金利に0.66を乗じた適用利率が半年ごとに変動する満期10年の商品)の販売が主軸になっています。図にあるように、無担保コールレートがまだマイナス圏にありつつも、10年固定利付国債の利回りが上昇してきているため、個人向け国債(変動10年)の適用金利は0.1%を超えてきており、魅力が回復してきています。

しかし、中途換金率が高く長期保有による安定的な国債消化の経路になっていない点が課題です。そこで、長期保有によるメリットが得られる新しいタイプの国債ファンドの検討を始めてもよいかもしれません。1980年代に、国債消化と個人投資家にとっての投資魅力の二兎(にと)を追う投資信託が開発されたように、金融政策の正常化と国債管理政策の高度化に即したソリューションが求められていると言えるでしょう。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB209120Q2A620C2000000/

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